
「飲み食い世界一の大阪」と差し向かいで生きてきた
あの名物編集者が「服」を語る。
講 師:江 弘毅(編集者・著述家・神戸松蔭女子学院大学教授)
聞き手:斉藤典貴(編集者・亜紀書房)
雑誌『Meets Regional』(京阪神エルマガジン社・1989年創刊)の立ち上げメンバーだった江さんは同誌の編集長を12年間務め、2006年に退社して以降は、『「街的」ということ』(講談社現代新書)、『街場の大阪論』(バジリコ→新潮文庫)、『ミーツへの道』(本の雑誌社)、『有次と庖丁』(新潮社)、『K氏の大阪弁ブンガク論』(ミシマ社)、『神戸と洋食』(神戸新聞総合出版センター)、『いっとかなあかん店 大阪』(140B)などを上梓し、今や新聞連載や『BRUTUS』『あまから手帖』への寄稿など、「街のリアルな面白さならこの人」と依頼が途切れない編集者であり書き手です。
その江さんはだんじりでおなじみの岸和田の、商店街の洋装店が実家。
子どもの頃から、服に関するさまざまなディテールや生地の手触り、色彩の組み合わせの妙を現場で体感し、「服を着倒してきた」江さんは、『Meets Regional』時代も創刊からファッションページを担当していました。そしてこの6月には服についての初の著書『なんでそう着るの? 問い直しファッション考』(亜紀書房)を上梓しました。
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この本誕生のきっかけとなった著者の 【玄関先ですんません】シリーズ。 20年間洗い倒して来ているラコステ |
これまた20年履いているドゥニームのジーパンとパラブーツのUチップ |
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ジャケットの袖のボタンが開閉できる 「本切羽」仕様の右手を一つだけ外す |
生地を見ると出来上がりを想像できて楽しいが、 オーダーは 「期待以上」がなかなかない |
出版のきっかけは、著者が「玄関先ですんません」とFacebookに投稿したことから。
お連れ合いの青山ゆみこさんがその日の江さんの着こなしのキモを本人から聞き出して写真を撮り、時にはホメ、時にはイケズをたっぷり盛って紹介するこの投稿が評判を呼び、編集者の目に留まって亜紀書房でのWEB連載がはじまり、この本が誕生しました。
中身は著者のような中年男性の「服の着こなし」について書かれていますが、いわゆる「メンズファッション雑誌」が逆立ちしても言えない、書けないようなフレーズに満ちています。服というのはつい、その時の勢いや流行り、思い込みで買ってしまうものゆえ、「あちゃー」という失敗も尽きません。本書で著者はそれを包み隠さず表現しているだけでなく、ファッションと「その人の個性を表現する」という、両者の落としどころが難しい関係を「利他=他者にやさしい服」という言葉で「腑に落ちる」ところに着地させてくれます。
「服の話は興味ないけど、おもろい話やったら聞くで〜」という人こそぜひ。もちろん、「あの人の服をどないかしたい」という女性も大歓迎。聞き手はこの本の編集者で、江弘毅さんの原稿に爆笑したり膝を打ったりした斉藤典貴さんが、改めて「連載中から思っていた素朴な疑問」をズバズバ投げかけます。
大阪の「街」や「店」そして「人」とは切っても切れない「服」にまつわるたまらん話、当日のご質問も大歓迎。どうぞお楽しみに!

◎当日は、江 弘毅さんの『なんでそう着るの? 問い直しファッション考』(亜紀書房)等を販売いたします。
江 弘毅(こう・ひろき) 1958年大阪・岸和田生まれ。神戸大学農学部卒業。1981年神戸新聞マーケティングセンターに入社し、Lmagazine別冊「シティマニュアル」シリーズを編集。1988年から京阪神エルマガジン社に移籍し、89年には 『Meets Regional』の創刊に携わり、1993年〜2005年編集長。2006年に編集集団140Bを立ち上げ、取締役編集責任者に。前述の著書のほか、雑誌『大阪人』(大阪市都市工学情報センター)の編集や『月刊島民』の編集発行人を務める。毎日新聞大阪本社の夕刊に「濃い味、うす味、街のあじ。」を10年間(2013〜23)連載。岸和田だんじり祭についても2冊の著書がある。今回の新刊『なんでそう着るの? 問い直しファッション考』は、亜紀書房のWEBマガジン「あき地」にて連載の「『お洒落』考」(2019.12.17〜2022.5.3)に加筆・修正と書き下ろしを加えたもの。 |
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【開催概要】 | |
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開催日 | 2023年8月31日(木) |
時間 | 18:00〜19:30(開場17:30) |
会場 | 大阪府立中之島図書館3階 多目的ホール |
講師 | 江 弘毅、斉藤典貴 |
受講料 | 2,000円 |
定員 | 80名 ※会場のみの開催です(オンライン受講はありません) |
主催 | 大阪府立中之島図書館(指定管理者:ShoPro・長谷工・TRC共同事業体) |
企画協力 | ナカノシマ大学事務局(株式会社140B) |
【会場】 | |
大阪府立中之島図書館 |
ご参加までの 流れ |
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ナカノシマ大学応募規約
- 島民 最終号(2021年3月号)
「月刊島民のつくり方」 -
いきなりだけど「島民」は今回がラスト。これまでの歴史をふり返りつつ、これからも中之島を楽しむヒントをお教えします!