月刊島民ナカノシマ大学

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講座・対談・落語会・街歩きイベントを開催。市民の大学「ナカノシマ大学」。中之島のフリーペーパー月刊島民とあわせて大阪・中之島の歴史や文化がよくわかる!

第2回 関西人のための「新潟のええとこ・うまいもんゼミナール」イベント採録レポート

21世紀の日本酒伝道師、葉石かおり氏が、
新潟の地酒が美味しい理由をレポートしました!

葉石かおり

葉石かおり(はいし・かおり)
1966年東京生まれ。日本大学文理学部独文学科卒。ラジオレポーター、女性週刊誌記者を経て現職。女性のひとり飲み食べのイメージを一新させた「おひとりさま向上委員会」(現在活動休止)元代表。酒蔵や酒場の取材セミナーや講演多数。近年は海外での日本酒ブームの高まりを受け海外でも日本酒セミナーを開催。世界に通用する酒のプロ「サケ・エキスパート」の育成に励んでいる。(2016年バンコク、2017年ミラノ)。近著に『うまい日本酒の選び方』(枻出版社)、『きょうから飲み方が変わる! 日本酒のいろは』(NHK出版)、『日本酒マニアックBOOK』『日本酒のペアリングがよくわかる本』(シンコーミュージック)、近刊『酒好き医師が教える 最高の飲み方 太らない、翌日に残らない、病気にならない』(日経BP社)

主  催:新潟県観光協会大阪観光センター
共  催:新潟県上越地域振興局
運  営:新潟のええとこ・うまいもんゼミナール事務局(「月刊島民」内)
協  力:アサヒ ラボ・ガーデン
開催日時:2017年11月13日(月)

photo北陸新幹線の開業から2年、関西からずいぶん身近になった新潟。新潟県観光協会大阪観光センターでは、新潟の魅力をより多くの人に知ってもらおうと、「新潟学」イベントを大阪・梅田で開催。10月から3か月連続で、新潟の「食」「酒」「自然」といった魅力を、個性豊かな講師陣がゼミナール形式で紹介しています。

11月13日、今年度第2回目のゼミナールを開催。講師は、本ゼミナール4度目の登壇となる酒ジャーナリストの葉石かおり氏。人気の講師とあって、参加者の競争率は過去最高の6倍。葉石氏は、定員を上回る約60人の参加者を前に、上越・妙高の地酒の魅力を熱く語りました。

●葉石さんがお勧めする、関西人のための上越・妙高めぐり(1泊2日)
1日目 大阪〜金沢経由〜北陸新幹線「上越妙高」駅〜君の井酒造(妙高市下町)〜越後上越・上杉おもてなし武将隊見学(上越市高田)〜鵜の浜温泉(泊)
2日目 上越市/よしかわ杜氏の郷〜坂口記念館〜富寿司高田駅前店〜日本スキー発祥記念館〜武蔵野酒造〜大杉屋惣兵衛本店〜上越妙高駅〜金沢経由〜大阪

〈取材1日目〉

  1. 君の井酒造
    上越市妙高市下町3-11
    0255-72-3136
    http://www.kiminoi.co.jp/ 蔵見学可。HPで営業日を確認の上、自由見学。
    アクセス:えちごトキめき鉄道「新井」下車歩10分
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    普通は入れない製麹室 山廃仕込みならではの
    珍しい木製のだき樽
    妙高市で味わう山廃仕込みの旨し酒、君の井

     新潟は何度も訪れていますが、今回どうしても行きたかったのが妙高市の君の井酒造です。創業170年、新潟では珍しい、山廃仕込みの酒を造る蔵です。山廃仕込みとは酒のもとになる「酒母」の作り方の種類で、現在最も一般的な速醸系酒母に比べて、はるかに手間と日数がかかります。作り方が難しいため失敗するリスクも伴います。それでも美味しい酒を造る君の井酒造の技術力を見てみたかったのです。

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    製法も味も異なる4種の酒を試飲

     蔵では、酵母の発酵を促すために昔ながらの木製の暖気樽(だきだる)に湯を入れて、タンク内の温度を上げていました。今、木製を使っている蔵はほとんどありませんが、酒母にやさしく熱を伝えるには木製に限るというのです。手間はかかっても昔ながらの良い部分は残す、蔵元の姿勢がわかります。

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    「この場所で吉永小百合さんもJR東日本のポスターの撮影をされたんですよ」と聞いて、杜氏の早津さん(左)と田中専務(右)と記念撮影

     私は試飲をする際には、地元の人が普段飲んでいる普通酒からいただきます。安定して愛されているお酒に違いないからです。まず「君の井」をひと口。「旨みのある食中酒を目指しています」と杜氏が言われるように、香りがおだやか。キレのいい軽快な酸の余韻がすっと消えていきます。料理の邪魔をしない味、すぐに次の酒がほしくなる味です。次は「山廃仕込み純米吟醸・越後の蔵秘伝」。少し高めの酸がエレガントで新潟らしい味わい。白ワイン的な酸の取り込み方だと思いました。これができるのが、君の井酒造の技術力ですね。

  2. 越後上越・上杉おもてなし武将隊に会いに行きました

     妙高市から上越市・高田へ移動。高田と言えば、上杉謙信ゆかりの地ということで、「越後上越・上杉おもてなし武将隊」の2人の武将に会いに行きました。 あいにくの雨でしたが、普段は、春日山などで出演をされているとのことで、また、お会いできればと言うことで、謙信公には短いご接見となりました。

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    左・上杉謙信公、右・上杉景勝(謙信の跡目を継いだ養子)

    越後上越・上杉おもてなし武将隊
    「越後上越・上杉おもてなし武将隊」は5名から成る。上杉謙信公の居城であった春日山城跡をはじめ、上越市内の観光施設やイベント会場等において観光客のおもてなしや演武(パフォーマンス)を行っている。出演スケジュール、場所は、HPで確認できます。
    http://www.uesugi-busyotai.com/

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    晴れていれば、水平線に夕日が沈みます

     この日のお宿は、夏は地引き網や海水浴で夏は賑わう日本海に面した、鵜の浜温泉。地下1200ⅿから自噴する弱アリカリ性温泉(塩化物泉)の美肌の湯で、冷えたからだを温め、新鮮な魚介類に舌鼓を打ちました。

    鵜の浜温泉・ロイヤルホテル小林
    上越市大潟区
    直江津駅から車で約30分。JR上越妙高駅、JR直江津駅から送迎バスが出ています。(要予約)
    http://www.royalhotel-k.com/

〈取材2日目〉

  1. よしかわ杜氏の郷
    上越市吉川区
    ※常時見学可
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    若き蔵人、田中佑樹さんと
    上越市で美酒を醸す、平成生まれの蔵と大正から続く蔵

     上越市は「発酵の町」と呼ばれるほど醸造業が盛んで、13の酒蔵に、味噌蔵、醬油蔵があります。元禄時代に誕生した吉川杜氏の伝統を絶やさないように誕生した酒蔵、「よしかわ杜氏の郷」を訪ねました。創業は1999年、平成になって出来た新潟でいちばん新しい酒蔵。ここは道の駅に併設されており、事前申し込みなしで製造工程を見学することができる観光蔵。ガラス越しに実際の工場を見学できて、丁寧な説明があるので日本酒初心者でも酒造りの工程が理解できます。新しい設備で、動線がきちんと計算されているのも現代ならではですね。豊富な商品と何でも造れる杜氏の技術。地方を活性化する「平成生まれの新しい蔵」のかたちとして勉強になりました。

    http://www.yoshikawa-touji.co.jp/

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     ここでは、若い蔵人たちが様々な種類の日本酒造りに挑戦しています。これは山口の酒と同じ、これは静岡の酒と同じ、というように科学的に味を実験しているのです。いくつか試飲をさせていただきました。「大辛口」は私が一番好きな味。「有りがたし」は糸井重里さんが造って名付けた酒で、酸と辛みが最後にさっと引く。「天恵楽」は全国燗酒コンテストで金賞を取った、旨みたっぷりの酒。穏やかな味は昔ながらの越後流といえます。

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    試飲コーナー 酒粕で作った金平糖と糸井重里氏が命名した「有りがたし」

     道の駅だけあって、土産物やおつまみは充実しています。なかでも酒粕入りの金平糖がお酒に合いました。実は甘いものとお酒って、すごく合うんです。和菓子と日本酒のペアリングというのも注目されています。

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    故・坂口先生に会いたかった! 笠原館長に坂口博士の生い立ちを訊く

     上越が生んだ天才、発酵学、応用微生物学の父と呼ばれ、酒造業界に大きく貢献した坂口謹一郎博士。酒づくりにたずさわる人なら知らない人はいないという博士の業績がわかる「坂口記念館」では、ちょうど、生誕120年記念展が開催されていました。

    坂口記念館
    上越市頚城区 http://joetsukankonavi.jp/spot.php?id=13
    生誕120周年記念展「微生物のチカラ」は、3月21日まで開催中。
    入館料一般300円(月曜休館)

  4. 日本スキー発祥記念館
    上越市大貫
    入館料一般450円(月曜休館)
    http://www.city.joetsu.niigata.jp/site/
    museum/sisetu-ski.html
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    レルヒ少佐のことと日本のスキー100年の歴史がわかる
    高田は、日本のスキー
    発祥の地

     日本にスキーを伝えたオーストリアのレルヒ少佐ゆかりの「日本スキー発祥記念館」にも行きました。1910年(明治43年)、日露戦争に勝った日本の強さを知るため陸軍第13師団の司令部のあった雪深き高田へやってきたオーストラリアのレルヒ少佐が日本に初めてスキーを伝えました。やがて、国産スキー製造業も育ち、上越高田はスキーのメッカとなった歴史を知って感動しました。

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    スキー発祥の地、高田に生まれた地酒「スキー正宗」(武蔵野酒造)

     そして3軒目に訪れた蔵は、大正時代に創業し、昭和初期から愛飲されている「スキー正宗」の醸造元、武蔵野酒造です。「純米大吟醸のようにしっかり主張する酒は料理の前の一杯でいい。食中酒は飲み飽きない普通酒がいい」と地元の酒造好適米、五百万石や越淡麗に、妙高山系の井戸水で仕込んでいます。これも本当に美味しかった。

    透き通ったスッキリした味のスキー正宗・雪室貯蔵酒(特別限定品)と、「お酒は飲み飽きない普通酒がいちばん」と語る小林社長。「発酵の町・上越」というイメージをもっと広めたい、と熱い思いを語ってくださいました

    スキー正宗
    http://www.musashino-shuzo.com/pages/products/ski.html

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    水あめだけでつくった「翁飴」は上品な甘さのあるゼリー状
    400年以上前からつくられている
    「翁飴(おきなあめ)」を買いに行く

     旅の終わりは、お土産さがし。日本最古級の和菓子店、1592年創業(安土桃山時代)の「大杉屋惣兵衛」に名物の「翁飴」を買いに行きました。

    大杉屋惣兵衛
    上越市本町5丁目
    http://ohsugiya.com/okinaame.html

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新潟には90もの酒蔵があり、地域の特性を生かした酒ができています。「辛い酒」から、米の旨味がある「旨口酒」が主流になり、肉や揚げ物にも合うキレを促す適度な酸味、キレがいいから次の盃がほしくなる。美酒の条件が揃った新潟の地酒、ぜひ味わってください。(終了)

大阪で新潟県の観光情報、パンフレットを入手したい方は、
大阪駅前第1ビル8階 、新潟県観光協会大阪観光センター(新潟県大阪事務所内)へお越しください。(大阪市北区梅田1-3-1-800 大阪駅前第1ビル8階)

06-6348-9720
・大阪駅(梅田駅)から徒歩で約5分、JR北新地駅より徒歩で約1分
・営業時間 平日8:30〜17:15(土日祝休)

新潟県のお酒や特産品が梅田で買える!
●新潟県アンテナショップ
「じょんのびにいがた」(ホワイティうめだ内)http://jn-shokurakuen.com/
新潟のお酒や郷土料理を楽しめる!
●新潟県アンテナショップ姉妹店
「新潟うまいもん じょんのび」(阪神西宮駅えびす口改札外)
新潟県のことをもっと知りたい方は、
●新潟県観光公式サイト
「にいがた観光ナビ」https://www.niigata-kankou.or.jp/