月刊島民ナカノシマ大学

セミナーレポート

第15回 2010年12月講座

テイスティング&セミナー「ウイスキーがお好きでしょ?」

ハイボールブームでじわり復権するウイスキー、そして、堂島~中之島と縁深い島民企業・サントリーの歩みにスポットを当てたナカノシマ大学12月講座。「日本ウイスキーの聖地」山崎蒸溜所から駆けつけてくれた講師は、品質管理ゼネラルマネージャーの福士収さん。ベテランの妙味あふれるトークと、4銘柄のシングルモルトを飲み比べるテイスティング体験。超満員のレトロ食堂には、芳醇な香りとシアワセの吐息があふれ、「ウイスキーがお好きでしょ?」と会話弾む師走の一夜となった。

知れば知るほど奥深い、ウイスキーの歴史

1923年(大正12)開設の山崎蒸溜所は、千利休が茶室を築いた名水の源、天王山の山すそにあり、3本の川が合流して、霧の多い湿潤な気候。水よし、貯蔵環境よし、ウイスキーづくりには最適の土地だ。ここで国産ウイスキー第一号「白札」が造られ、続いて「角瓶」が世に出るに至って、日本のウイスキーは本格軌道に乗った。

 「近年、シングルモルト『山崎』が海外で多くの賞を受け、ヨーロッパをはじめ、中国や台湾でも売り上げが伸びています」と福士さん。「シングルモルトは風土やつくり手のこだわりが色濃く反映される」というから、山崎に蒸溜所を置いた創業者・鳥井信治郎の慧眼と、そこに蓄積された技術の高さが分かる。

色・香り・味わい・余韻をテイスティング。

そんな話を枕に、いよいよテイスティングへ。用意されたのは、同社の製品から、その「山崎」と山梨で造られる「白州」。本場スコットランドのスペイサイド地区を代表する「マッカラン」、アイラ島で生まれる「ボウモア」。いずれも12年物で、色・香り・味わい・余韻を比べようという趣向。

ドライフルーツのように甘く上品な香りのマッカラン。バニラ香をはじめ、幾重にも香味が押し寄せる山崎。スモーキーな香りとダークチョコのような味わいのボウモア。スモーキーな中にも、ふっくらした甘みをあわせ持つ白州。受講生たちは、グラスをのぞき込み、水を注いでみたり、舌の上で転がしたりしながら、その奥深い世界を堪能する。

「生ガキのソースにボウモア1滴」「焼鳥はタレなら山崎、塩なら白州」など料理との相性、さらには美味しいハイボールの作り方まで惜しげもなく教えてくれた福士さんいわく、「ウイスキーは仕込んでから世に出るまで、長い時間がかかる。先輩のつくったものを私が仕上げ、私が造ったものを10数年後に後輩が仕上げるんです」。しみじみとした味わい深さはそんなところから来るのだろう。

 
サントリー山崎蒸留所
1923年、「寿屋」(現サントリー)の創業者であった鳥井信治郎が「日本人に愛されるウイスキーをつくりたい」との想いから日本で初めて本格的なウイス キーの製造に乗り出し、建設した蒸溜所。天王山の麓にある山崎の地は、水や気候など日本のウイスキーづくりに欠かせない要素が整った「理想郷」であると言 われる。蒸溜所でも独自にウイスキーセミナーやガイドツアーを開催している。
   

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