
淀屋橋の生命保険会社で波乱万丈の36年間を過ごした
25万部のベストセラー『定年後』の著者が登壇し、
愉快なトークで私たちに説く「これから」
講師:楠木 新(ビジネス評論家・文筆家。『定年後』著者)
東京の地下鉄にも貼り出された著書の広告
今橋通に面した地下鉄御堂筋線淀屋橋駅8号出口。楠木さんは会社員時代にこの出口を上がることでモードを切り替えた
最近、経済誌やシニア誌にお名前をよく見かけるだけでなく、NHK「日曜討論」にも出演した文筆家の楠木 新さんが、ナカノシマ大学に初登壇します。
楠木さんは70年代の終わりに淀屋橋に本社のある生命保険会社に入社。80年代からバブルへと、会社も自分自身もイケイケで走りますが、40代に入って阪神大震災で自宅やご近所が大きなダメージを受けます。さらには先輩社員たちの生き方を見るにつれて「このまま主体性を押し殺した会社員として、定年まで生きるんだろうか……」と心身に疲れを覚え、うつ状態に陥り、長期休職しました。
それが楠木さんにとって「深呼吸して人生を見直す」契機になりました。
「会社をリタイアした、あるいは別の職業に転身した人たちは、どんな人生を送っているんだろう?」と150人もの人たちに取材を行いました。そうこうしている間に発見した「主体性を持って人生を送るもうひとりの自分」をもっと育てていこうと、本名とは別の「楠木 新」というペンネームで本格的に活動していきます。
そこから先のことは、Osaka Metroのフリーマガジン『アルキメトロ』(御堂筋線開業90周年記念号)の最新号にも寄稿されています。
実は、50歳から文章を書き始めた。2011年に書いた『人事部は見ている。』(日本経済新聞出版社)という奇妙なタイトルの本がブレイクした。出版社との打ち合わせや取材対応で忙しくなって、伏見町の御堂筋西側にレンタルオフィスを借りた。東側にいる時は、生真面目な生命保険会社のサラリーマン、西側に行くと、なんとか一発当てたい著述家に変身する。一人二役の「淀屋橋いくよ・くるよ生活」が始まった。
会社員時代も今も淀屋橋の友[福仙樓]のカレー焼きそば530円(!)
一人二役で働き始めると、会社の若い営業ウーマンから「そんな楽しそうにしている人に初めて会った」と言われ、他部署の先輩からは「お前、何かやってるやろ。(役職復帰を断った)平社員なのに一番イキイキしている」と言われたとか。
楠木 新さんは、大切にしたい「もう一人の自分」を育てることを最優先にして、それ以外のことは「後回し」なり「捨てても仕方がない」としたことで吹っ切れたのだと思いますが(人間なかなかそうはいきません)、その「極意」に加え、「生命保険会社の会社員」と、「もうひとりの自分=楠木 新」というキャラクターを育んでくれた「淀屋橋」という懐が深い街の魅力についても、愛するいい店の話と一緒にたっぷりと語っていただきます。
楠木 新さんは、神戸の代表的な歓楽街である新開地・福原の生まれ育ち。子どもの頃から
「おもろいおっちゃん」「芸人さん」「何をして食べているか分からない人」たちに囲まれて
生きてきました。新開地の空気とは真逆の淀屋橋の会社に就職しても「なんか違うなぁ。
どうしてみんな“建前”ばっかり言うんだろう?」とずっと思っていたそうです。
なので、当日は「ビジネス評論家」とはぜんぜん違うフレンドリーでおもろいトークに引きずり込まれること必至です。どうぞお楽しみに!
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楠木 新(くすのき・あらた) 1954年神戸市新開地の近くに生まれ育つ。京都大学卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画・支社長等を経験。50歳から勤務と並行し、執筆や講演に取り組む。2015年に定年を迎え、2018〜22年に神戸松蔭女子学院大学の教授を務める。著書に25万部超えの『定年後』など。最新刊は『75歳からの生き方ノート』。現在、140Bのホームページのブログに「【神戸新開地〜福原】シンカイチの人と思い出」を連載中。https://140b.jp/ |



◎当日は、楠木新さんの著書『人事部は見ている。』(日本経済新聞出版社)、『定年後』(中央公論新社)、『75歳からの生き方ノート』(小学館)を販売します。お楽しみに!
【開催概要】 | |
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開催日 | 2023年6月29日(木) |
時間 | 18:00〜19:30(開場17:30) |
会場 | 大阪府立中之島図書館3階 多目的ホール |
講師 | 楠木 新 |
受講料 | 2,000円 |
定員 | 60名 ※会場のみの開催です(オンライン受講はありません) |
主催 | 大阪府立中之島図書館(指定管理者:ShoPro・長谷工・TRC共同事業体) |
企画協力 | ナカノシマ大学事務局(株式会社140B) |
【会場】 | |
大阪府立中之島図書館 |
ご参加までの 流れ |
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ナカノシマ大学応募規約
- 島民 最終号(2021年3月号)
「月刊島民のつくり方」 -
いきなりだけど「島民」は今回がラスト。これまでの歴史をふり返りつつ、これからも中之島を楽しむヒントをお教えします!